大人の人生交差点クラブとは、

様々な価値観の多様性についてヒントを得るための

人生の交差点のような場です。

大人の人生交差点クラブを主宰する裁判ライター、通称「普通」と申します。

皆さんからは「普通さん」と呼ばれています。

 

「裁判は面白い」

 

これが40歳を前にした私が、裁判傍聴を続ける単純明快な理由です。

ここでの「面白い」は「興味深い」という意図です。

この「面白い」は裁判の多くのシーンで感じる感想です。

自分の想像を遥かに超えるいろんな人間模様を見ることができます。

 

私は月に100件前後の裁判を傍聴します。

傍聴する裁判は特に決めごとなどなく、

万引きや食い逃げから電車などでの痴漢、違法薬物、

そして果てには殺人など、できるだけ多岐に渡るよう心がけています。

 

裁判という時間と空間には、日常でなかなか出会えない緊張感があります。

「自分も罪を犯して、同じようにならないように」

そう自分自身を戒めながらも、

身近なちょっとしたことでも罪となる可能性があることに

気付かされることもあれば、

ニュースで聞いた事例が実際に法律に反映されるという

社会の動きとの繋がりを実感することもあり、

傍聴を重ねるほどその奥深さを感じています。

 

裁判の話題を周りの人に話すと、反応はそれぞれです。

自分の身に置き換える人もいれば、他人事として扱う人もいますが、

そういうときこそ、その人の人物像や本音が見えてくると思っています。

 

その人がそれまでどのような経験をしてきたのか。

家族や周囲の人とどういう関係を築き上げてきたのか。

どういった地域や風土で生活してきたのか。

どのような学生時代を過ごしたのか。

どういったメディアに影響されてきたのか、など。

 

たとえ時間をたくさんかけなくても、知らない同士でも、

裁判という題材を介すれば、

その人がどんな考え方や生き方をしているのかが、

垣間見えることは興味深いところです。

 

裁判の傍聴自体もそうですし、裁判のトピックを誰かと話すとき、

あるいは傍聴をきっかけに訪れた街に滞在するときもそうですが、

いろんな人の考え方や生き方に触れることができて、

昨今強く叫ばれている価値観の多様性が自分の中で

幾つも交差していくような感覚があります。

 

この「大人の人生交差点クラブ」は、

複雑化している現代社会を生きる人たちにとって、

様々な価値観の多様性に触れるきっかけになればと思い、

立ち上げたプロジェクトです。

 

多様性とはどういうものなのか。

それは理屈や定義ではなく、

各々が感覚的に感じて落とし込むものだと思っています。

無自覚に狭まってしまいがちな視野を広げ、

何かしらの学びや気づきが得られる場になれば幸いです。